札幌ハプニングを振り返る。


■フラッシュモブを「公共事業」にしてしまえ!

同時に僕は当時、教文の職員でもありました。仕事の内容は会館のホールで行う舞台芸術の企画・運営・プロモーションや、市民の方々が参加できるワークショップ(体験教室)の企画・運営などです。

僕が教文時代担当していた事業の1つが「演劇フェスティバル」という演劇祭。
主に札幌で活動する演劇関係者の有志で組織された実行委員会との共催で、札幌演劇シーンを盛り上げることを目的に、毎年夏に演劇公演やワークショップなどを開催していました。


「絵に描いたような酔っぱらい」を再現した「酔っぱらいゴーズオン」(2011.4)
※札幌ビエンナーレ・プレ企画「美術館が消える9日間」参加作品

札幌の演劇界が抱える問題として実行委員会で話に挙がっていたのは、先にも触れたように少しずつ動員数が減っているという問題。これをどうやって解決していくかというのが目下の目標でした。

それなら「フラッシュモブ」を無謀にも「公共の演劇ワークショップ」としてやってしまえばインパクトも充分だし、今までと違った層に演劇の魅力をアピールできるし、そこで演劇に出会った人が観劇してくれるかも知れないし、仕事として向き合うに値するものなんじゃないかと考えました。

そんな訳で分厚い資料を読み漁り、企画書を作って委員会の皆さんや上司に、これがいかにアートであるか、いかに演劇であるかを説得し、OKを取り付けることに成功しました。
これが08年の11月頃。今思うと何と寛容的な職場だったんだろうと感動すら覚えてしまいます。


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